ウィークリー・ワイルドデッキ#4 “最強のミッドレンジ、ここに帰還”

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カードゲームの華は、デッキリストだ。     –まつがん



結果を残した30枚のカードの束、それらには1枚ずつにストーリーがある。
どの1枚として無用なものはなく、全てに採用の理由があるのだ。 


以前までは、このサイトでは無造作にリストを共有することしか出来ていなかった。 
そこでこの新連載では、毎週1つのデッキを取り上げて、内容を吟味し、作者の意図を汲み取らんとする。
この記事が、君とデッキとの良い巡り合わせになれることを願っている。

 

シークレットパラディンは多くのプレイヤーの記憶に深く残るデッキだ。[謎めいた挑戦者]という6/6/6のボディーに最大5つの秘策サーチ&踏み倒しというトンデモカードを中心に、さらに周りを強力なカードで固めた当時としては最強のミッドレンジデッキだった。「7並べ」とも揶揄されるほど、毎ターンパワーカードを連発した後、6ターン目の[謎めいた挑戦者]。「俺が誰かって?お前には関係ない」のセリフは、今もハースストーンプレイヤーにとって印象深いものだ。

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しかし時は流れ、シークレットパラディンは昨今のワイルド環境から遠ざかってしまった。有無を言わさぬ高速アグロ環境や、更なる最強のミッドレンジであるナーガ巨人に押されてしまっていた…。離れてしまって「いた」。

そう、シークレットパラディンは、新たなカードと適合したメタ環境により蘇ったのだ。ご覧頂こう、レジェンド6位を獲得したTylerのシークレットパラディンだ。

S47 Tyler’s “シークレットパラディン/Secret Paladin” #6

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レシピを見ると、とにかく盤面を形成することが目標らしい。そしてそれは簡単だ。[兵役収集]と[動員]をプレイするだけでいい。盤面ができたのならば[ロウゼブ]で蓋をするのも良し、[太陽の番人タリム]でバフするも良しだ。時代の流れにより[ドクター・ブーム]と[ティリオン・フォードリング]が抜けてしまったのは少し衝撃だな。

ワイルドのカードは[仇討][競争心][サー・フィンレー・マルグルトン][呪われた蜘蛛][シールド・ミニロボ][兵役召集][ロウゼブ][謎めいた挑戦者]だ。ほとんどは先週触れたカードだが、[仇討]については特記が必要かもしれない。1マナの秘策で、自分のミニオンが倒れた時に自分の他のミニオン1体に3/2のバフをするカードだ。つまり実質1マナ3/2!コントロール側が下手に除去をすると打点が増える、相手からすれば非常に厄介な秘策だ。しかも基本的には[謎めいた挑戦者]からサーチしてタダでプレイするのだ。そう言えば、シークレットパラディン使いのプレイヤーも「[謎めいた挑戦者]の強さは[仇討]にあり」と言っていた。

このデッキの特徴は、パワーカードが盛りだくさんに詰め込まれている上に、それらがお互いに作用し合うことである。[復活]と[有徳の守護者]、[兵役召集]と[競争心]、[動員]と[ナイフジャグラー]、etc…。触ったことのない方は是非1度プレイしてみてほしい。そのシナジーの多さに驚くだろう。シナジーが多いということはつまり、このデッキは前述の「七並べ」のような単純な作業ではなく、細かいコンバットや次の展開の予想が非常に重要という訳だ。

またこのデッキは「サーチ」という行為が得意でもある。カードゲームにおいて、それぞれの場面に合った特定のカードにアクセスできることは大きな強みだ。[動員]と[謎めいた挑戦者]が該当する。

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[動員]のおかげで、ワイルドのパラディンは好調だ。最もメジャーなアーキタイプは新兵、次いでマーロックが挙げられる。シークレットパラディンはそれらより少し遅めの展開を期待するデッキだ。つまり個々のカードがより強い分、純粋な盤面の取り合いにより長けている。そしてちょうど今、このような少し遅めのミッドレンジが適合するメタになったという訳だ。

シークレットと鯛罪のハイブリッド構成も見受けられていたが、どうしてもマーロックをプレイする必要ある以上、そこは弱い動きになってしまう。また[七つの鯛罪]は主にコントロール相手を想定したバーストダメージを与えるのが強みだが、どうしても現環境では[ヴォイドロード]に行く手を塞がれがちだ。そこでここに来て原点回帰、純粋なシークレットパラディンが復活を果たした。昔から馴染みのあるプレイヤーには、是非遊んでほしいリストだ。

ここにワイルドシークレットパラディンのガイドがある。多少リストは違うものの、大いに参考になるはずだ。https://sp.ch.nicovideo.jp/nomura3127/blomaga/ar1379701