ウィークリー・ワイルドデッキ#6 “パイレーツ軍は永久に不滅です」

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カードゲームの華は、デッキリストだ。     –まつがん


結果を残した30枚のカードの束、それらには1枚ずつにストーリーがある。
どの1枚として無用なものはなく、全てに採用の理由があるのだ。 


以前までは、このサイトでは無造作にリストを共有することしか出来ていなかった。 
そこでこの新連載では、毎週1つのデッキを取り上げて、内容を吟味し、作者の意図を汲み取らんとする。
この記事が、君とデッキとの良い巡り合わせになれることを願っている。

ワイルドオープンはとうとう地域代表が出揃い、チャンピオンが決まる最終トーナメントまで進んだ。

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この中の誰かがワイルド最強チャンピオンに君臨するのだ。その瞬間は見逃せないな。
Twitchのハースストーン公式チャンネルで配信されるはずなので、皆で必ず観戦しよう。

今回のアジアサーバの代表は내게로와とRenoJackson (@RenoJackson_HS )となった。
残念ながらファイナルまでこそ進出を果たせなかったものの、地域予選では日本人プレイヤーの活躍が目立った。その存在感は小さいものでは無かったはずだ。
勝手ながら今後も当サイトは、そんな日本人ワイルドプレイヤー全ての力になれるよう、全力で運営していく。

さて今週のウィークリー・ワイルドデッキでは、RenoJacksonがオープンの初戦から使い続け、見事カリフォルニア進出を果たした立役者の1人である海賊ウォリアーを取り上げよう。 

ワイルドオープン決勝リーグ進出 RenoJackson’s “海賊ウォリアー/Pirates Warrior”

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さすがRenoと言うべきか。文句の付けようのない、綺麗にまとまったリストだ。
2枚積みが26枚、ピン刺しが1枚ありレジェンドが3枚という構成は視覚的にも収まりが良い。
それでいて強いとなれば芸術的である。

海賊ウォリアーは「仁義なきガジェッツァン」で劇的な誕生を果たしてからというものの、その活躍は右肩下がりになる一方だった。そしてとうとう、今春のローテーションでスタンダードを去り多くのプレイヤーに惜しまれながら引退する。

でもワイルドでは一生現役だ。除去される心配の低い武器で、ヒーローが直接且つ継続的にダメージを与えていく戦略は、現在のようなウォーロック・プリーストの多い環境に適合しているのかもしれない。
[スペルブレイカー]が2枚もあるので挑発ミニオンも怖くない。

ワイルドのカードは[サー・フィンレー・マルグルトン][艦載砲][デスバイト]で、[ン・ゾスの一等航海士][ブラッドセイルの狂信者][海賊パッチーズ]も近くワイルド行きとなる。

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[艦載砲]は2/2/3で海賊を出す度にランダムに2点飛ばすミニオンだ。ワイルドで海賊をプレイする最も大きな理由である。[艦載砲]とナーフ前の[海賊パッチーズ]のシナジーは、そりゃもう「凶悪」の一言だった。武器と合わせてあっという間に盤面を崩し、効率的にダメージを与える重要なソースだ。

また[泡を吹く狂戦士]はウォーロックとメイジの除去し辛いタフネス4のミニオンで、環境に合っている。もちろんすぐに脅威となれる可能性を秘めており、これ1枚で勝ってしまうこともある。[デスバイト]の断末魔とも相性が良い。

ちなみに[海賊パッチーズ]のナーフは、他のアーキタイプに比べれば影響が少なくて済んでいる。ケレセスローグやアグロパラディンでは、パッチーズは「バフをかけての有利トレード」という使い方が基本であったため、突撃の削除は致命的だった。海賊ウォリアーについてはただ1点を飛ばすだけであり、さほど大きなマイナスにはならなかったのだ。

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[ちんけなバッカニーア]が本当に“ちんけ”になっても、何度となくカニに食べられても、[烈火の戦斧]が「劣化の戦斧」になってもパッチーズがセリフごと弱体化されても、それでもパイレーツ軍は不滅だ。そのことを、Renoは我々に教えてくれた。

今はもう現役バリバリの当時の強さは無いが、それでもひたむきに一流デッキに混じって頑張る海賊の姿は、何だか全盛期が過ぎた40過ぎの野球選手のようにも見えて哀愁を感じる。

リストの採用カードに、特に目を引くようなものは無い。
だがメタを読み切って的確なデッキを持ち込み「海賊はまだまだ頑張れる」と我々に教えてくれたRenoは、間違いなく今大会の優勝候補だ。
ファイナルでも海賊ウォリアーと彼の活躍が楽しみでならない。