ウィークリー・ワイルドデッキ#10 “奇数か偶数か、それが問題だ”

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カードゲームの華は、デッキリストだ。     –まつがん



結果を残した30枚のカードの束、それらには1枚ずつにストーリーがある。
どの1枚として無用なものはなく、全てに採用の理由があるのだ。 


以前までは、このサイトでは無造作にリストを共有することしか出来ていなかった。 
そこでこの新連載では、毎週1つのデッキを取り上げて、内容を吟味し、作者の意図を汲み取らんとする。
この記事が、君とデッキとの良い巡り合わせになれることを願っている。

「妖の森ウィッチウッド」がリリースされたが、皆様いかがお過ごしだろうか。
多くのプレイヤーの予想通り、クラスとしてはウォーロック、パラディン、ドルイドがワイルドのメタの中心となりそうだ。
だが[シャダウォック]シャーマンやナーガ巨人メイジなど他のクラスも新たな方向性を掴みかけている。
総じてワイルドフォーマットの初週は、旧デッキと新デッキが入り混じり混沌の様子を見せた。

今日は新デッキの中から注目のリストをご紹介させていただこう。
新カード[ゲン・グレイメイン]をコンセプトにした偶数パラディンだ。

S49 #7 はいし’s “偶数パラディン/Even Paladin”

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奇数/偶数デッキがこれほどまでに人気を集めると、あなたは予想していただろうか?
私は正直、リリース前「制限はハイランダーよりも厳しい上に、得られる効果もイマイチだ」と感じていた。
「もしかしたら日の目を見ることのないシナジーかもしれない」と危惧すらしていた。
だがカードというのは実際に使用して、初めてその強みがわかるものだ。
ラダーで奇数/偶数デッキと実際に対面した時、私は使用前の印象が全くの誤りだったことを認めざるを得なかった。

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ゲン・バクの最も強力な点は、ゲーム開始時に効果が発動されることだった。
ドローに関係なく序盤から強いヒーローパワーを押せることは、戦略プランの安定を支える。
そこでアグロやミッドレンジデッキで採用する構築が、リリース直後から多く見られた。
特にパラディンは、メイジやドルイドと異なり「とりあえず押しておく」ことが許されるヒーローパワーで、奇数/偶数システムと相性が良い。
更にカードプールの広いワイルドではこういった類いの縛りもやりやすい。

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興味深いのは、パラディンというクラスでは奇数と偶数の両方がデッキとして成り立つことだ。
偶数は[動員][太陽の番人タリム][シールド・ミニロボ]など、奇数は[兵役召集][有徳の守護者][兵站将校]などが採用できる。
カードの面子とヒロパの効果から、偶数は少しミッドレンジ気味な構築、奇数は比較的早めの構築が自然なようだ。
特にこのリストでは[ティリオン・フォードリング][リッチキング]をフィニッシャーに採用し、8マナを頂点としてどっしりと攻める構築だ。往年のミッドレンジパラディンを彷彿とさせる。

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新カード[訓戒]は2マナの呪文で、効果は[ロウゼブ]の雄叫びと同じ効果を持つ。
偶数デッキ故に5マナの[ロウゼブ]を使えないので、その代わりといったところだろう。
2マナと軽いことから他のカードの展開と共に打てるのは長所であるが、こちらにはボディが無く盤面を取っていなければ完全に腐ってしまう。
今週見かけたパラディンのリストで、ピン差しで採用率が高かった1枚だ。

[マーロック騎士]はヒーローパワーを押す度にランダムなマーロックを召喚する「激励」持ちだ。
コスト軽減と非常に相性が良く、基本的には5ターン目にヒロパと共に出すこととなるだろう。
新カードの登場で旧カードが輝く一例だ。
横に展開しながら、且つ相手からすれば放っておけないミニオンだ。

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パラディン御用達のドローソース[神聖なる恩寵]が使用できない代わりに、このデッキは[カルトの教祖]を採用している。
ぶつけ合いの場面でポンと出せば、ミニオンを数枚ドローに変換してくれる。
ミニオンの並ぶこのデッキで相性が良いのは言わずもがなである。

強力なクラスカードと、マナ効率の良いヒーローパワー。
偶数パラディンは、とりあえず現在はパラディンのデッキの選択肢として悪くないものに見える。
だが研究が進んでこのアーキタイプがメタの中心に居続けるのか一線を退くのか、それはまだ誰にもわからない。
今後もまだまだ注視が必要なようだ。