ウィークリー・ワイルドデッキ#11 “お前のデッキは朕のもの”

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 カードゲームの華は、デッキリストだ。     –まつがん

結果を残した30枚のカードの束、それらには1枚ずつにストーリーがある。
どの1枚として無用なものはなく、全てに採用の理由があるのだ。 

以前までは、このサイトでは無造作にリストを共有することしか出来ていなかった。 
そこでこの新連載では、毎週1つのデッキを取り上げて、内容を吟味し、作者の意図を汲み取らんとする。
この記事が、君とデッキとの良い巡り合わせになれることを願っている。

 

デッキビルダーに必要なものは何だろう?

カードのポテンシャルを見抜く着眼点。
常人には思い浮かばないような発想力。
そしてデッキとしてまとめる構築力。

これらを併せ持つのが、優れたデッキビルダーだと私は思う。 

ウィッチウッドがリリースされたこの一週間、多くの創意工夫溢れるリストを拝見させていただいた。
それらの全てから、デッキビルダーの魂を感じることができた。
沢山のリストから1つを選ぶのは困難であったが、今回も特に目を引く1つをピックアップした。
人様のデッキを取り上げて好き勝手言う失礼を承知ながら、皆様にご紹介しよう。
「デッキを交換する」コンボが勝ち筋の、カードゲーム史上他に類を見ないであろうアーキタイプだ

S49 #1 Kohai’s “トグワグル・ドルイド/Togwaggle Druid”

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そう、今回取り上げるのはトグワグルドルイドである。

ほとんどはマリゴスドルイドのパーツとそっくりそのままだが、肝心の[マリゴス]が不在だ。
その代わりに[キング・トグワグル]と[アザリナ・ソウルシーフ]が入っている。
2枚ともお世辞にも強いカードとは認識されていなかったレジェンドだが、この度デッキビルダーの手によって「ガチカード」と昇華された。

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このデッキの仕掛けはこうだ。

①[アヴィアナ]でミニオンのコストを1にして、[忘却王クン]でマナをリフレッシュ。

②[キング・トグワグル]でお互いのデッキを交換。同時に相手の手札に、デッキを再交換する[王の身代金]が加える。

③[アザリナ・ソウルシーフ]をプレイ。[王の身代金]ごと相手の手札をコピーする。

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これで完全にデッキを交換することが可能になる。

[アヴィアナ][忘却王クン]を絡めたコンボと言えば、先程も言及した通りマリゴスドルイドが一般的だ。
だがマリゴスドルイドは、[マルガニス]の無敵状態や[待ち伏せのガイスト]によるハンデス、それに積み重ねられた装甲が弱点であった。
トグワグルドルイドはそれらを全てクリアーしていると言えるだろう。

アグロ相手には[蝕まれし虫害]と装甲で耐えきるのは変わらず。

遅い相手にはマナ加速とドローで早目にゲームを展開し、相手がまごついている間に交換してしまう。
元々このデッキにはコンボパーツ以外はドローや除去しか入っておらず、そんな勝ち筋の無い山札を相手に押し付ける訳だ。
そんな相手が取れる行動はただ一つ。コンシードボタンを押すだけである。

「妖の森ウィッチウッド」のカードは、初見ではパッとしないように見えたが、今やバク/ゲンの奇数/偶数デッキは環境を席巻する2大アーキタイプだし、[ヘンチ・クランのゴロツキ][ライフドリンカー]などはアグロデッキを支える良カードだった。

ならば、未だ「ハズレジェ」の称号を背負う[アザリナ・ソウルシーフ]にも可能性があるはずだ。
「このカードはまだコミュニティの誰もが気付いていない、秘められた力があるのでは?」
その疑問が、この新たなアーキタイプ「トグワグルドルイド」への第一歩となったのだろう。

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ハースストーンには他のカードゲームにはあり得ないような様々な種類のコンボが存在するが、このコンボはその中でも特に異質なものだ。決まったら快感という他ないだろう。
この発想力と構築力には脱帽である。
ここにデッキビルダーの真髄を見た気がする。

さて、このアーキタイプ。sipiwi94が考案し、Kohaiが戦績を持って完成させた。
気になる勝率だが、Kohaiはこのリストで15-2という戦績を叩き出し、瞬間レジェンド1位を獲得した。

今後、ワイルドの厳しい環境に揉まれて消えてしまうのか?
それともコンボタイプのドルイドとしてマリゴスと人気を奪い合うことになるのか?
後者だとしたら、とんだ環境のダークホースだ

とにかく、今回伝えたいことはただ1つ。

「お前のデッキは朕のもの」

これぞコボルト流である。